煮干が育む、循環する日本を目指して

人が生きる上で欠かすことのできない「食」。米・魚を中心とした食生活を営んできた日本は、世界有数の魚食大国です。各国の国民1人当たりの魚介類供給量と平均寿命の関係をみると、魚介類供給量が多い国ほど平均寿命が長い傾向がみられます。日本が世界一の長寿国となっているのも、魚食が大きな影響を与えているといっても過言ではないでしょう。

しかし近年では、消費者の「魚離れ」が深刻化しています。特に若い世代ほど魚離れの傾向は強く、40代以下の1日当たりの魚介類摂取量は50代以上の半分以下と、かなり少なくなっています。逆に摂取量が大幅に増えているのは、肉やその加工品、乳製品、油脂類、小麦です。これに伴い、30年前と比べると肥満傾向の子どもの数が約2倍に増え、約10人に1人が肥満児であるといわれています。

生産者側でも、漁業就業者数の減少や高齢化、設備の老朽化が進むなか、収入も減少傾向にあり、先細りが続いています。農林水産省の統計によると、現在の漁業・養殖業の国内生産量はピーク時(1984年)の4割以下に落ち込んでいます。今後、人口減少と世代交代が進むなかで、国内の魚介類の消費や漁業就業者数は一層減少していくことが懸念されています。

「NAGI 煮干のある生活」をスタート

国土の四方を海に囲まれ、豊富な漁場を持つ「海洋大国」であり「魚食大国」の日本。寿司や魚料理などの日本食、さらには日本の漁村とその伝統文化は、世界的にも注目されています。世界のトレンドが魚食に向かっているのに反して、国内では魚離れが進み続けている今だからこそ、魚の魅力を多くの方に伝えたいと「NAGI 煮干のある生活」をスタートさせました。

弊社は「ラーメン凪」として2004年に創業以来、改良を続けながら「すごい!煮干しラーメン」という煮干たっぷりのラーメンを提供しています。仕入れる煮干は毎月5トン以上。瀬戸内の伊吹島をはじめ全国各地の生産地に足を運んで厳選した20種類の煮干を使い、手作業ではらわたを一匹一匹取り除き、丁寧に煮干スープを仕込んでいます。おかげさまで多くのお客様に愛され、煮干が好きな方はもちろん、苦手だった方からも「なんとなく魚は敬遠していたけど、思った以上の美味しさ」「魚臭さはないのに風味が良くて驚き」など、嬉しい声を多数いただいてきました。

お客様の魚に対するイメージとして一番多かったのは「調理が面倒」「食べにくい」「臭いがきつい」というものです。魚が体にいいことは分かっているけれど、魚料理は調理したり食べたりすることが面倒だから敬遠していたという方も多いようです。これが若い世代の魚離れの大きな原因となっているのではないかと私たちは考えました。

ご自宅でも日本の煮干の美味しさを手軽に楽しんでもらいたい。生活の中で気軽に食べられる魚介製品をお届けしたい。それがお客様一人ひとりの健康で元気な毎日をつくり、国内の魚介類摂取量が増え、ひいては私たちを育ててくれた日本の海と生産者の方たちに還元され、日本古来の漁村と伝統文化の保護・発展につながるのではないか。この循環する日本こそが、私たち「NAGI 煮干のある生活」の目指す理想の姿です。「煮干でそんな大層な…」と思われるかもしれません。でも、なんて…と思われるようなところからこだわるのが、私たちNAGIのスタイルなのです。